AI電話対応の導入事例|公表情報から読む「自社の規模ならどちらを選ぶか」

最終確認:2026年8月9日 料金・プラン内容は変更されることがあります。契約前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。 当サイトでは料金情報を90日ごとに再確認する運用にしています(確認方針)。

結論:こんな人にはこのAI

こんな人選ぶなら理由
入電が多く、すでにコールセンターを運用している大企業PKSHA VoiceAgent既存の電話基盤(PBX / CTI)と連携でき、大企業の導入実績が公表されている
店舗・小規模事業者。まず一次受付だけ自動化したいIVRy初期費用0円・無料枠あり。料金が公開されており事前に試算できる

比較表:どれが自分に合うか

AI電話対応の導入事例|公表情報から読む「自社の規模ならどちらを選ぶか」 の比較表
ツール向いている人導入難易度利用者規模無料プラン料金
PKSHA VoiceAgent入電件数が多く、すでにコールセンターを運用している大企業管理者・情シスの対応が必要大企業なし非公開・要問い合わせ
IVRy店舗・小規模事業者・スタートアップ初期設定が必要中小企業無料枠・試用のみフリープラン 無料(月30着電まで)/ スターター 月額3,980円〜(年払いなら月あたり3,317円〜・年額39,800円〜)/ スタンダード 月額6,480円〜(年払いなら月あたり5,400円〜・年額64,800円〜)。いずれも利用内容で変動し、電話番号の維持費と通話料が別途かかる。公式ページに税込・税別の明記はない

料金・機能は変動します。契約前に必ず各公式サイトで最新の条件をご確認ください。 評価の付け方は評価基準に掲載しています。

業務のどの工程を任せられるか

  1. 1着信の応答
  2. 2用件の聞き取り・判別
  3. 3取次・折り返し
  4. 4既存の電話基盤と連携
ツール着信の応答用件の聞き取り・判別取次・折り返し既存の電話基盤と連携
PKSHA VoiceAgent対応対応対応対応
IVRy対応対応対応記載なし

完結率が100%になることはありません。有人対応への引き継ぎ設計まで含めて検討します。

「—」は「できない」という意味ではありません。 提供元の公表情報で確認できた工程だけに○を付けています。 記載のない工程は各公式サイトでご確認ください(確認方針)。

結論

AI電話対応の導入事例を調べていくと、個別の事例よりも先に分かることがあります。 この分野は、会社の規模によって選ぶ製品が根本的に違うということです。

2026年8月時点で公表されている情報を整理すると、国内の選択肢はきれいに二分されます。

  • PKSHA VoiceAgent — 富士キメラ総研の調査でボイスボット市場シェア24.7%・No.1(提供元公式サイトに記載)。公式サイトには保険・電力・通信など、入電の多い大企業が導入企業として掲載されています。料金は非公開・個別見積
  • IVRy — 初期費用0円・無料枠ありで、店舗や小規模事業者が自分で始められる設計。ただし月額基本料とは別に通話の従量課金があります

つまり判断はこう分かれます。

  • すでにコールセンターを運用していて、PBX / CTI 連携や本人認証が要件に入る → PKSHA VoiceAgent
  • まず電話の一次受付・時間外対応だけ自動化したい → IVRy

大企業の導入事例をそのまま自社に当てはめても、ほとんど参考になりません。 必要な機能も、検討の始め方も、かかる期間も違うからです。

そしてもう一つ、事例を読むうえでの前提があります。 AI電話対応で完結率100%にはなりません。 有人対応への引き継ぎ設計込みで検討するものです。

課題提起

電話対応の何が業務を圧迫しているのか。現場で挙がるのはだいたい次の4つです。

  1. 鳴るたびに作業が中断する — 集中を要する仕事ほどダメージが大きい
  2. 内容の大半が定型の一次対応 — 営業時間の確認、予約の変更、住所変更、資料請求
  3. 営業時間外を取りこぼす — 折り返しの手間も発生する
  4. 誰が取るか決まっていない — 暗黙に「席が近い人」「手が空いている人」が取り続ける

AI電話対応は、このうち2と3に直接効く可能性のある手段です。

ところが検討を始めると、別の壁に当たります。 ネット上の導入事例には「対応工数◯%削減」といった数値が並ぶ一方、 出典や前提条件が確認できないものが多いのです。 どの業種で、どれくらいの入電量で、どの範囲を自動化した結果なのかが分からなければ、自社に当てはめようがありません。

そこでこの記事では、出典が確認できた公表情報だけを並べ、自社の判断に使える枠組みを組み立てます。

公表されている導入事例(2026年8月時点で確認できた範囲)

PKSHA VoiceAgent の導入企業

提供元の公式サイトに導入企業として掲載されているのは、以下の各社です(2026年8月9日確認)。

明治安田生命保険 / 三井住友海上火災保険 / 住友生命保険 / 東北電力 / NTTドコモ / レオパレス21 / アートネイチャー / アート引越センター

掲載されているのは「導入企業として公表されている」という事実のみで、 各社が導入をどう評価しているかは公表の範囲を超えるため触れません。 読み取るべきは個社の評価ではなく、業種の偏りです。顔ぶれには共通点があります。

  • 一般消費者から日常的に電話が来る — 生命保険3社、損害保険、電力、通信キャリア
  • 問い合わせ内容が定型化しやすい — 住所変更、契約内容の確認、資料請求
  • 繁忙期に入電が集中する — 引越、修理受付

裏を返せば、入電が少ない、あるいは内容が毎回違う業種は想定顧客ではないということです。 事例一覧は「うちも同じ結果が出る」ではなく「うちはこのグループに入るのか」を確かめるために読むものです。

みずほ銀行の AI-IVR(2026年1月導入)

もう一つ、時期と内容が特定できている事例があります。

PKSHAの公式ニュース(2026年3月5日)によると、みずほ銀行は2026年1月に AI音声認識を活用した「AI-IVR」を導入し、ガイダンスを聞いたうえでのプッシュボタン操作を不要にしたとされています。

この一文を業務目線に翻訳します。

従来の自動音声応答(IVR)は、「ご用件が◯◯の方は1番を押してください」というツリー構造でした。 利用者はガイダンスを最後まで聞き、階層をたどり、押し間違えれば最初からやり直します。 用件を話せば適切な窓口に振り分けられる方式は、この待ち時間と押し間違いの往復を取り除きます。

注目したいのは、この事例が「AIが全部答える」ではなく「正しい担当に早くつなぐ」から始まっている点です。 最も定型的で、最も利用者を待たせている部分から着手している。 自社でもまず切り出すべきは回答そのものではなく振り分けである、という示唆になります。

IVRy 側の事例について

正直に書きます。 この記事の調査範囲では、IVRy について出典を確認できた企業事例を提示できませんでした。

ただしこれは製品の優劣の話ではありません。IVRy は料金が公開されている製品で、検討の入口が違います。 大企業向け製品は導入実績が信頼の担保になりますが、小規模向け製品は「自分で試算して無料枠で試せる」ことが担保になります。 IVRy は事例ではなく料金構造と適合範囲で判断するのが妥当です。

自社に当てはめる:規模別の判断

大企業・すでにコールセンターがある場合

PKSHA VoiceAgent が想定する要件は、機能の顔ぶれから読み取れます。

  • PBX / CTI 連携、社内システム・データベース連携
  • 本人認証
  • アウトバウンドコール、SMS・Eメール送信
  • ノーコードでの対話フロー構築

用途として公表されているのは、予約の受付・変更・キャンセル、修理受付、住所変更手続き、資料請求など。 いずれも基幹システムを参照しないと完結しない業務です。

つまりこの製品の価値は音声認識そのものより、 聞き取った内容を既存の業務システムにつなぎ込める点にあります。 電話機が数台あるだけの事務所には明らかに過剰です。

中小企業・店舗の場合

IVRy は初期費用0円・無料枠ありという構造上、 「まず営業時間外だけ」「まず一次振り分けだけ」と小さく始められます。

最初から完璧な自動応答を作ろうとすると止まります。 時間外の一次受付だけ、よくある3問だけ、と範囲を絞って始めるほうが現実的です。

ただし後述するとおり、通話の従量課金があるため、入電が増えるほど月額は上がります。 「安く始められる」と「安く運用し続けられる」は別の話です。

判断チェックリスト

自社がどちら側かは、次の5つでほぼ決まります。

  1. 月間の入電件数はどれくらいか(数十件か、数千件か)
  2. すでに PBX / CTI などの電話基盤があるか
  3. 本人確認や基幹システムの参照が必要な問い合わせが含まれるか
  4. 予算をまず自分で試算して稟議に載せる必要があるか
  5. AIが対応しきれなかった電話を受ける有人体制があるか

とくに3番と5番が効きます。 3番が「はい」なら小規模向け製品では要件を満たせず、5番が「いいえ」ならどの製品を選んでも運用が破綻します。

詰まった点・限界

導入検討で「思っていたのと違う」となりやすい点を整理します。

両製品に共通する限界

  • 完結率100%にはなりません。 有人対応への引き継ぎ設計が前提です。むしろ「AIで完結しなかった電話をどこにどう渡すか」の設計が本体だと考えたほうが実態に近いです
  • 自動化する範囲の切り分け、対話フローの整備、運用開始後の改善は人の仕事として残ります
  • 電話をAIが受けることを顧客層が受け入れるかは、業種・年齢層によって変わります。事例ではなく自社で判断すべき部分です
  • ネット上には出典不明の効果数値が流通しています。稟議に載せる数字は、必ず提供元から自社の条件で提示を受けてください

PKSHA VoiceAgent の限界

  • 料金が非公開です。個別見積のため、初期検討の段階でコスト感を掴めません
  • 既存の電話基盤との連携設計が必要で、導入までのリードタイムが長くなります
  • 大企業向けであり、中小企業・店舗には規模が合いません

IVRy の限界

  • 月額基本料とは別に通話の従量課金が発生します。 入電が多いと想定より高くなります
  • 大企業のコールセンター要件(PBX / CTI 連携、本人認証など)には向きません
  • この記事に記載する料金は二次情報です。契約前に公式サイトでの確認が必須です

料金と、どのプランで足りるか

以下は2026年8月時点の情報です。料金は変動する可能性があるため、必ず公式サイトで最新の条件をご確認ください。

PKSHA VoiceAgent

料金は公開されていません。 個別見積です。この記事では推測の金額は書きません。 検討する場合、提供元への問い合わせが最初のステップになります。

問い合わせ前に「月間入電件数」「自動化したい用件」「連携が必要なシステム」を整理しておくと、 見積の精度と商談の速さが変わります。

IVRy

以下は公式ページから直接確認できておらず、二次情報です。金額は必ず公式サイトで再確認してください。

項目金額の目安
初期費用0円
無料枠30着電まで無料
スターター月額3,317円〜
スタンダード月払い 月額6,480円〜 / 年払い 月額5,400円〜

これに加えて、従量課金が発生するとされています。

項目金額の目安
電話番号維持代月500円
着信通話代約3円/分
転送通話代13円/分(携帯宛は25円/分)

どのプランで足りるかは、月額ではなく通話量で決まります。 直近3か月の入電件数と平均通話時間を出したうえで試算してください。 とくに転送通話代は着信通話代より単価が高く、携帯宛はさらに上がります。 「AIが受けて、結局ほとんど携帯に転送する」運用は費用面で不利になりやすい構造です。

こういう人に向く / 向かない

PKSHA VoiceAgent が向く組織 入電件数が多く、すでにコールセンターを運用している大企業。 本人確認や基幹システム参照を伴う手続き(住所変更、契約内容確認など)を電話で受けている組織。 向かない組織: 中小企業・店舗。金額が分からないまま検討を進めたくない担当者。短期間で導入したい組織。

IVRy が向く組織 店舗・小規模事業者・スタートアップ。まず電話の一次受付や時間外対応だけ自動化したい組織。 予算を自分で試算してから稟議に載せたい担当者。 向かない組織: 入電量が多く従量課金が積み上がる組織。PBX / CTI 連携や本人認証が要件に入る組織。

そもそもAI電話対応が向かないケース 入電が1日数件の組織では、費用と設計の手間に見合いません。 問い合わせ内容が毎回異なり定型化できない業種も効果が出にくくなります。 AIが取れなかった電話を受ける人がいない組織は、導入が時期尚早です。

まとめ

AI電話対応の導入事例は、「どこが入れたか」ではなく「自社はどちら側か」を確かめるために読むものです。

  1. 入電量と既存の電話基盤で、検討すべき製品が決まる — コールセンター保有なら PKSHA VoiceAgent、店舗・小規模なら IVRy
  2. 基幹システム連携や本人認証が要件なら、小規模向け製品では満たせない
  3. 小規模向けは通話量で費用が変わる — 月額ではなく通話量で試算する
  4. 完結率100%にはならない — 引き継ぎ先の有人体制がない組織は、まずそこから

公表情報から確実に言えるのは、 PKSHA VoiceAgent が保険・電力・通信といった大量の定型入電を持つ業種で導入されていること、 そしてみずほ銀行の事例のように、着手点が「回答の自動化」ではなく「振り分けの改善」になっていることです。 自社でも、最も定型的で最も待たせている部分から切り出すのが現実的です。

本記事に記載した料金・機能・導入企業はいずれも2026年8月時点の公表情報です。 PKSHA VoiceAgent は料金非公開のため金額を記載していません。 IVRy の料金は二次情報のため、契約前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。

各ツールの向き・不向き

PKSHA VoiceAgent

株式会社PKSHA Communication / 国内製品

入電が多い窓口の一次受付を自動化し、有人対応を必要な件だけに絞る

導入難易度
管理者・情シスの対応が必要法人契約や既存システムとの連携が前提
利用者規模
大企業
無料プラン
なし
料金
非公開・要問い合わせ非公開・要問い合わせ / 2026-08-23 時点

こんな人に向いている

  • 入電件数が多く、すでにコールセンターを運用している大企業
  • 既存の電話基盤(PBX / CTI)と連携させたい組織

こんな人には向かない

  • 中小企業・店舗(規模が合わない)
  • すぐに始めたい(連携設計でリードタイムが長い)
  • 完全自動化を期待する場合(有人引き継ぎの設計が前提)

公式サイトで詳細を確認するPKSHA VoiceAgent の公式サイトが開きます

PKSHA VoiceAgent の詳細(料金・法人要件・向き不向き)

IVRy

株式会社IVRy / 国内製品

初期費用をかけずに、電話の一次受付だけを先に自動化する

導入難易度
初期設定が必要連携設定や初期構築の時間を見込む
利用者規模
中小企業
無料プラン
無料枠・試用のみ
料金
フリープラン 無料(月30着電まで)/ スターター 月額3,980円〜(年払いなら月あたり3,317円〜・年額39,800円〜)/ スタンダード 月額6,480円〜(年払いなら月あたり5,400円〜・年額64,800円〜)。いずれも利用内容で変動し、電話番号の維持費と通話料が別途かかる。公式ページに税込・税別の明記はない公式サイトで確認 / 2026-08-23 時点

こんな人に向いている

  • 店舗・小規模事業者・スタートアップ
  • まず一次受付だけ自動化したい組織
  • 事前に費用を試算したい事業者

こんな人には向かない

  • 入電が多く従量課金が膨らむ組織
  • 大企業のコールセンター基盤(PBX / CTI連携・本人認証)の要件がある

無料プランで使い勝手を確認するIVRy の公式サイトが開きます

IVRy の詳細(料金・法人要件・向き不向き)

よくある質問

すべての電話をAIで完結できますか?
完結率が100%になることはありません。有人対応への引き継ぎをどう設計するかまで含めて検討するのが前提です。
小さな事業所でも導入できますか?
できます。初期費用0円・少額から始められる製品があります。一方で大企業向けの製品は規模が合わず、検討しても話が進みません。
月額料金だけ見ておけばいいですか?
いけません。通話の従量課金が別途かかる製品があり、入電が多いと想定より高くなります。料金非公開の製品では個別見積が必要です。

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