ChatGPTで議事録を作る手順|音声は文字起こしできない前提で使うプロンプト集
最終確認:2026年8月9日 料金・プラン内容は変更されることがあります。契約前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。 当サイトでは料金情報を90日ごとに再確認する運用にしています(確認方針)。
結論
ChatGPT は会議の音声を文字起こしできません。 録音を渡せば議事録が返ってくる、という使い方は成立しません。
ChatGPT で議事録を作るというのは、正確には次の2工程を組むことです。
- 文字起こし — 発言をテキストにする(専用ツール、またはWeb会議ツールの標準機能)
- 整形 — そのテキストを ChatGPT に渡し、決定事項・ToDo・論点を抜き出して議事録にする
ChatGPT が担当するのは 2 だけです。ただし、最も時間を食うのもこの2です。 1時間ぶんの発言ログは、テキスト化されただけでは誰も読みません。 「何が決まって、誰が何をするのか」に落とす作業が残ります。ここが ChatGPT の価値です。
本記事は 2の工程の手順とプロンプトに絞ります。 1のツール選定はAI議事録ツール比較で整理しています。
課題提起:なぜ「ChatGPT 議事録」で期待が外れるのか
検索する人の多くは、録音を投げれば議事録が完成することを期待しています。 ところが実際には、音声ファイルの扱いで止まります。
テキストを貼り付けた場合も、「要約して」とだけ指示して返るのは会議のあらすじです。 あらすじは議事録ではありません。業務で必要なのは、次の3つが分離された文書です。
- 決定事項 — 何が決まったか
- ToDo — 誰が、いつまでに、何をするか
- 論点・保留事項 — 決まらなかったこと、次回に持ち越すこと
工程1:文字起こしをどう用意するか
ChatGPT に渡すテキストを作ります。選択肢は2つです。
(a) Web会議ツールの標準機能を使う Zoom / Microsoft Teams / Google Meet などには文字起こし機能が用意されている場合があります。 利用可否は契約プランと組織側の設定によるため、まず情報システム部門に確認してください。 追加コストなしで始められる可能性があります。
(b) AI文字起こしツールを使う 標準機能が使えない場合や対面会議を含む場合は専用ツールを検討します。国内向けでは Notta、Rimo Voice などが代表的です。 無料プランから試したいなら Notta、会議数が多く時間上限を気にしたくないなら Rimo Voice という分かれ方です。
ここで1点、工程2の品質を左右する要素があります。話者分離です。 「Aさん:」「Bさん:」の形で発言者が分かれたテキストと、全発言が一続きのテキストとでは、 ChatGPT が抽出できる精度が変わります。ToDo の担当者を割り当てるには、誰の発言かが要るからです。 文字起こし側を選ぶ段階で確認しておいてください。
各ツールの料金・時間上限・対面会議への対応はAI議事録ツール比較を参照してください。
工程2:ChatGPT に渡すプロンプトの組み立て方
プロンプトの基本構造
議事録用のプロンプトは、次の5要素で組むと安定します。
- 役割 — 何をする立場として処理させるか
- 入力の説明 — 渡すテキストが何か(自動文字起こしである、誤変換を含む、など)
- 抽出項目 — 決定事項 / ToDo / 論点など、取り出す対象
- 出力形式 — 見出し、表、箇条書きなど
- 禁止事項 — 最重要。発言にない内容を補わせない
5を書かないと、AIは文脈から自然な文章を作ろうとして、 出ていない結論をそれらしく埋めることがあります。議事録では致命的です。
プロンプト例1:まず標準的な議事録に整える
あなたは会議の議事録作成担当です。
以下は会議の自動文字起こしテキストです。誤変換や言い淀みを含みます。
このテキストから議事録を作成してください。
【出力形式】
■ 会議の目的
■ 決定事項(箇条書き)
■ ToDo(表形式:担当者 / 内容 / 期限)
■ 継続検討事項
【条件】
- テキストに記載のない内容は絶対に補完しないでください
- 担当者や期限が不明な場合は「未定」と記載してください
- 雑談・本題と関係ない発言は除外してください
--- 文字起こしここから ---
(ここにテキストを貼り付け)
「不明な場合は未定と記載」の一文が効きます。 これがないと、AIは空欄を埋めようとして担当者を推測することがあります。
プロンプト例2:決定事項・ToDo・論点の3分類を抽出する
議事録本文は自分で書き、抜け漏れチェックに使う場合に有効です。
以下の会議テキストを読み、次の3つに分類して抽出してください。
1. 決定事項:結論が出たもの
2. ToDo:誰かが行動する必要があるもの(担当者・期限も記載)
3. 未決事項:議論されたが結論が出ていないもの
各項目には、根拠となる発言を1行そのまま引用してください。
分類できない発言は無理に振り分けず、「分類不能」としてまとめてください。
根拠となる発言を引用させるのがポイントです。 引用があれば、その項目が本当に会議で出た話かを目視で検証できます。
プロンプト例3:社内フォーマットに合わせる
既定のフォーマットがある職場では、既存の議事録を1本サンプルとして渡すと出力が揃います。
以下は当社の議事録フォーマットのサンプルです。
--- サンプルここから ---
(過去の議事録を1本貼り付け)
--- サンプルここまで ---
このフォーマットと同じ構成・同じ文体で、
以下の会議テキストから議事録を作成してください。
見出しの並び順と表記ルールはサンプルに厳密に合わせてください。
--- 文字起こしここから ---
(ここにテキストを貼り付け)
プロンプト例4:共有用の短いサマリーを作る
議事録本体とは別に、チャットやメールに貼る要約が要る場面向けです。
以下の議事録から、社内チャットに投稿する共有文を作成してください。
- 300字以内
- 冒頭1行で「何が決まったか」が分かること
- 決定事項とToDoのみに絞り、経緯は省略
- 敬体(です・ます)
プロンプト例5:抜けを AI 側から指摘させる
出力を受け取ったあと、続けて投げます。
作成した議事録について、次の観点で確認し、指摘してください。
- 担当者が明記されていないToDoはありますか
- 期限が設定されていないToDoはありますか
- 議論されたが結論も持ち越しも明示されていない論点はありますか
- 文字起こしの誤変換と思われる箇所はありますか(固有名詞・数値を中心に)
指摘のみを列挙してください。議事録の修正はまだ行わないでください。
これは自分の確認作業を助けさせるプロンプトです。 「期限のないToDo」は会議後に放置されやすいため、機械的に洗い出す価値があります。
出力をそのまま提出してはいけない理由
生成された議事録は、必ず人間が確認したうえで提出してください。 これは工程として組み込むべき作業です。確認するのは次の4点です。
- 数値 — 金額、日付、件数。文字起こしの誤変換が最も出やすい箇所です
- 固有名詞 — 人名、社名、製品名。同音異義語に置き換わることがあります
- 決定事項の言い回し — 「検討する」が「実施する」に強まっていないか。最も怖い改変です
- 補完されていないか — 発言にない記述が文脈から作られていないか
議事録は後から参照される合意記録です。AIが文章を整えた結果として決定の強度が変わると、 実務上の齟齬につながります。「AIが下書きを作り、人が事実確認をする」分担で運用してください。
機密情報の取り扱い:社内ポリシーの確認が先
これは手順よりも先に確認すべき項目です。
会議の文字起こしには、社外秘が含まれます。 未公表の売上数値、人事に関する議論、取引先名、価格交渉の内容、開発中の製品情報。 これらを外部のAIサービスに入力してよいかは、所属組織のポリシーで決まります。 確認すべき点は、少なくとも次の3つです。
- 生成AIへの業務情報の入力が許可されているか — 全面禁止、条件付き許可、法人契約のみ許可など、組織で扱いが分かれます
- 利用してよいプランが指定されていないか — 個人アカウント不可・法人契約のみ許可という運用は珍しくありません
- 取引先の情報を含む場合の扱い — 秘密保持契約(NDA)の対象なら、自社の判断だけでは決められません
迷う場合は、情報システム部門または法務部門に確認してください。 「便利だったので個人アカウントで使っていた」が後から問題になる領域であり、 先に確認するコストのほうが圧倒的に小さくて済みます。
詰まりやすい点と限界
音声からの文字起こしができない — 前工程のツールが別途必要になります。
出力が常に正しいとは限らない — 「議事録作成がゼロになる」ではなく「作成が確認に変わる」が現実的な期待値です。
文字起こしの品質が上限を決める — 正しくテキスト化されていなければ ChatGPT 側では挽回できません。 専門用語が多い会議では、文字起こしツール側の単語登録が効いてきます。
長い会議は一度に渡しきれないことがある — 分割して送る場合は、途中で要約させず、全部送ってから議事録化させます。
同じプロンプトでも出力は毎回同じにならない — 品質を揃えるなら、例3のフォーマット指定型を社内共通テンプレートとして配布するのが現実的です。
料金と、どのプランで足りるか
以下は 2026年8月時点の情報です。 ChatGPT は料金改定が頻繁で、プラン構成そのものが変わることもあります。 契約前に必ず公式サイトで最新の内容を確認してください。
| プラン | 料金の目安 |
|---|---|
| Free | 無料(メッセージ数に制限) |
| Go | 月額1,400円程度 |
| Plus | 月額3,000円程度 |
| Pro | 月額16,800円程度〜 |
| Business | 1ユーザーあたり月額25〜30ドル程度 |
| Enterprise | 個別見積 |
議事録の整形用途なら、まず Free で出力品質を確かめるのが合理的な順序です。 長い文字起こしを日常的に処理するようになってから上位プランを検討すれば足ります。
ただし業務利用では組織が指定するプランに従う必要があり、法人契約が必須なら Free は選べません。 文字起こしツールの費用も別途かかるため、合計コストで検討してください。
こういう人に向く / 向かない
向く人
- すでに文字起こしの手段がある(Web会議ツールの標準機能を含む)人
- 発言ログを決定事項とToDoに落とす作業に時間を取られている人
- 社内の議事録フォーマットが決まっており、それに合わせて整形したい人
向かない人
- 録音から議事録まで1つのツールで完結させたい人(2工程が必要です)
- 対面会議が中心で、文字起こしの手段をまだ持っていない人
- 組織が生成AIへの業務情報入力を禁止している人(ポリシー確認が先です)
まとめ
- ChatGPT は音声を文字起こしできない。 まず文字起こしの手段を用意する
- Web会議ツールの標準機能で足りるかを先に確認し、足りなければ専用ツールを検討する
- 話者分離の有無を確認する。 ToDo の担当者割り当ての精度に直結する
- プロンプトは「役割・入力の説明・抽出項目・出力形式・禁止事項」の5要素で組む
- 「記載のない内容を補完しない」を必ず入れる
- 数値・固有名詞・決定事項の言い回しは人が確認する
- 機密情報の入力可否は、着手前に組織のポリシーを確認する
ChatGPT が消すのは「読めない発言ログを、読める文書に変換する時間」です。 文字起こしと最終確認は残ります。この線引きを理解しておけば、期待は外れません。
本記事は2026年8月時点の公表情報にもとづきます。契約前に公式サイトで最新情報をご確認ください。
よくある質問
- ChatGPTに録音ファイルを渡せば議事録になりますか?
- なりません。ChatGPTは会議の音声を文字起こしできないため、①文字起こし ②ChatGPTで整形、の2工程を組む必要があります。
- 文字起こしはどうすればいいですか?
- 専用の文字起こしツールか、Web会議ツールの標準機能を使います。そのうえで、出力されたテキストをChatGPTに渡します。
- 会議の内容を入力しても問題ありませんか?
- 顧客名・未公開情報などの取り扱いは、所属組織のポリシーに従ってください。入力可否は組織ごとに異なります。
- 無料プランでもできますか?
- 文面の整形用途であれば無料プランでも試せます。長い議事録を継続的に扱う場合は、回数制限が実務上の制約になります。
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